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平成15年度 施政方針

以下は、平成15年第1回大和郡山市議会定例会での平成15年度市長施政方針の全文です。

概要

本日、ここに平成15年第1回定例市議会の開会にあたり、平成15年度の一般会計及び特別会計並びに公営企業会計とそれに関連する諸議案を提出致しましたので、本市の現況と、将来あるべき姿を展望しながら、所信並びに、施策の一端を申し述べまして、ご審議の参考に供したいと存じます。

国においては、活力ある経済社会と持続的な財政構造の構築を図るため、「改革断行予算」と位置付けられた平成14年度予算の基本路線を継承し、「官から民へ」、「国から地方へ」の観点に立ち、歳出については実質的に平成14年度の水準以下に抑制するとともに、歳入については「国債発行30兆円以下」の基本精神を受け継ぐものとし、予算の配分に関しましては将来の発展につながる
「人間力の向上・発揮-教育・文化、科学技術、IT」
「個性と工夫に満ちた魅力ある都市と地方」
「公平で安心な高齢化社会・少子化対策」
「循環型社会の構築・地球環境問題への対応」
の4分野に重点的に配分をおこなう反面、公共投資関係費については対前年度比マイナス3%以内、義務的経費については制度・施策の抜本的な見直しをおこない歳出の抑制を図り、裁量的経費については対前年度比マイナス2%以内とした結果、対前年度比0.7%増の81兆7千891億円で編成されたところでございます。

一方、地方財政計画においては、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が大幅に減収する一方で、公債費の累増等により、過去最大規模の財源不足が生じる見込みを踏まえ、歳出面において、国の歳出予算と歩みを一として徹底した見直しと重点的配分を図るとともに、定員の計画的な削減等による給与関係費の抑制や地方単独事業の削減に努め、歳入面においては、通常収支の財源不足に対して財源対策債の増発を除いた残余については、国と地方が折半して補填することとし、国負担分については、交付税特別会計からの借入金を廃止し、一般会計からの加算のみで賄い、地方負担分については、臨時財政対策債の発行により、地方財政の運営に支障が生じないよう所要の措置を講じることとした結果、対前年度比1.6%減の86兆2千100億円と、2年連続のマイナスとされました。

このような状況のもと、当市と致しましても、現下の厳しい経済状況と地方財政の現況に鑑み、でき得る限り歳出の増を抑制するよう努めつつ、市民生活の向上には積極的に寄与すべく、財源の重点的・効率的な配分を図った予算編成を行ったところでございます。

本年度におきましても、長引く不況と3年毎の固定資産税の評価替えを背景に市税が3年連続で落ち込み、大幅な財源不足が見込まれることから事務事業全般にわたり徹底した見直しを図りましたが、かねてからの懸案事項でございます(仮称)矢田コミュニティ会館及び給食センター建設事業の本格化や児童扶養手当を含む扶助費等の義務的経費の大幅な増加によりまして、一般会計総額は291億円となり、対前年度比4.1%の増となりました。

なお、一般会計と特別会計を含めますと、総額518億6千972万1千円で、対前年度比2.1%の増となっております。

一般会計

それでは、一般会計の歳出における諸事業及び重点施策について順次ご説明申し上げます。

第1 地域の振興について

第1に、地域の振興についてでございます。

「平和のシンボル、金魚が泳ぐ城下町。」それぞれの地域に夢と誇りと自信を持つことのできる、心豊かで元気なまちづくりを進めるため、今年度も地域の振興を推進してまいります。
まず、冒頭にも申し述べました(仮称)矢田コミュニティ会館でございますが、矢田地区のみならず、大和郡山市民相互のコミュニケーションを図り、生活文化の振興、地域福祉の増進に寄与するため、今年度は建物実施設計と造成工事等を行い、平成17年8月の完成を目指します。

次に(仮称)JR郡山駅東側複合施設に係る公用棟建設事業でありますが、今年度におきましては債務負担行為分の予算化を図り、平成15年6月の完成を目指し、インフォメーションや集会所、ボランティアサポートセンターとして活用してまいります。複合施設の完成によりまして、長年にわたっての本市の行政課題でありました、JR郡山駅東側の基盤整備が商業棟・ホテル棟を含めすべて終了し、本市の東側の玄関口として新しく生まれ変わると考えております。
次に、(仮称)巡回バス運行事業でございますが、前年度に設置致しました庁内の検討組織であります大和郡山市巡回バス導入調査研究委員会及び同ワーキンググループによる議論を踏まえ、今年度は近鉄郡山駅とJR郡山駅間の運行の試行に踏み切るものであります。他の地域での導入にあたりましては、需要予測を始め、コスト面での調査を実施し、導入の可否について検討委員会等で判断してまいります。
次に、旧奥野家の保存・再生・活用事業に引き続き、大正年間に建築された貴重な木造3階建の旧川本家住宅についても、その保存・再生・活用を図るため、調査・設計等に要する経費を計上致しております。

第2 浸水対策事業について

第2に、浸水対策事業についてでございます。

平成12年度から着手しております浸水対策事業の一環と致しまして、代官池の整備工事費については所要額を確保し、平成15年度で終了を予定しております。完成致しますと、4千400トンの貯留量となり、本市の治水対策が大きく前進するところであります。また蟹川水系を中心として、災害に強いまちづくりを目指すため、市内全域において下水道法による雨水計画を策定するための経費として、2千500万円を計上致しております。この計画の事業認可に要する期間は約3年を見込んでおりますが、事業認可後においては治水対策が大いに進捗するものと考えております。
なお、雨水簡易貯留槽の設置につきましては、引き続き、その普及に向けて取り組んでまいります。

第3 教育関連事業の推進について

第3に、教育関連事業の推進についてでございます。

長年の懸案事項でありました、(仮称)西地区給食センターの建築に総事業費約12億円で着手し、平成17年3月の竣工を目指すものであります。完成致しますと、最新の施設で3,000食の給食が可能となる予定でございます。
次に、教育施設の充実と致しましては、前年度の小学校に続きまして、今年度は中学校の普通教室に扇風機を設置してまいりますとともに、大規模改造工事につきましては、今議会に提案致しております平成14年度補正で郡山南小学校の屋内運動場の改造工事を前倒しで執行してまいります。
次に、ソフト面の整備と致しましては、前年度から実施されております新学習指導要領に対応した、ゆとりの中での特色のある教育を目指した小・中学校の少人数指導事業と、子育て支援の一環として三の丸会館を拠点とした親子交流事業の継続とともに、新たに平和幼稚園で3歳児を対象としたティーム保育を試行するものであります。
次に、筒井城跡の保存・活用事業として、平成21年の国史跡指定を目標に、本年度は国庫補助事業として調査に着手してまいります。

第4 都市計画事業について

第4に、都市計画事業についてでございます。

まず、近鉄九条駅関連整備事業につきましては、東西を地下で結ぶ自由通路が完成致しましたが、さらに利用者の利便性の向上と地域の活性化を図るため、東側の駅前広場・アクセス道路の整備を引き続き進めてまいります。
また、現在進めております藺町線街路事業でございますが、本年度は、今井町から北郡山町交差点までの420メートル区間の事業認可に伴い、事業用地の積極的な確保等を行い、早期の開通を目指してまいります。
次に、ソフト面の整備と致しまして「大和郡山」らしい景観づくりのための指針を示す景観形成ガイドライン及び前年度に引き続き、藺町線の沿道を対象とした、街なみ環境整備のための事業計画を策定するものでございます。
なお、都市計画事業ではございませんが、平成10年度から進めております南廻り線につきましては、最終年度として工事費を中心に約4億400万円の予算を計上致しております。

第5 福祉対策事業について

第5に、福祉対策事業についてでございます。

まず、ノーマライゼーション社会の推進と致しまして、平成15年4月から実施される支援費制度に対処するための予算措置をするとともに、社会福祉法人によります平成16年度開所予定の知的障がい者小規模通所授産施設であるひかり園の分場や、平成17年度開所予定の老人介護福祉施設、寧楽の郷の建設に対して支援をしてまいります。
次に、少子化対策と致しまして、旧勤労青少年ホームを転用した保育園の最終整備をおこない、現在29名の定員を90名まで拡充し、入園待機児童の解消に努めるとともに、平成16年度から(仮称)ふたば保育園として本園化を図る予定でございます。

第6 環境対策について

第6に、環境対策についてでございます。

放置自転車等の対策として、近鉄郡山駅周辺を放置禁止区域として指定し、放置自転車の撤去等を行い、駅周辺の良好な生活環境等の確保を図りたいと考えております。
次に、「地球温暖化対策の推進に関する法律」の施行により、平成13年度に策定致しました本市事務・事業に関して、温室効果ガスの排出等のための措置に関する実行計画に基づき、排出量について継続して調査・公表してまいります。

第7 市制施行50周年について

第7に、市制施行50周年についてでございます。

本市は平成16年1月1日に市制施行50周年を迎えますが、今年度予算による記念事業と致しましては、本来の成人式と同じ日に、市制施行年である昭和29年に生まれた、50歳になられる市民による「盛人式」を開催し、これを皮切りにふるさと郡山の再発見と市民の参加、参画の二点を念頭に置きつつ、諸事業を通じて市勢のさらなる躍進を目指していく所存でございます。50周年事業関連経費につきましては、今後補正予算あるいは平成16年度当初予算で反映させてまいりたいと考えております。

最後に、庁内のIT化の推進でございますが、LGWANが平成15年8月より試行されることにより、本市もその対応を図るとともに、庁内LANの環境整備を行います。

また、懸案となっておりました、住宅三資金につきまして、県内29市町村による一部事務組合が平成16年4月から設立される予定であるため、その設立準備負担金130万9千円を計上しているところでございます。

以上が一般会計の概要でございます。

特別会計及び公営企業会計

次に、特別会計及び公営企業会計についての概略をご説明申し上げます。

  1. 国民健康保険事業特別会計につきましては、国民健康保険加入の世帯数及び被保険者数の伸び、またここ数年の医療費等の動向を勘案し、対前年度比4.0%増の70億1千400万6千円の予算を計上致しております。今後もより一層国民健康保険の健全な事業運営を確保していく所存でございます。
  2. 住宅新築資金等貸付事業特別会計につきましては、償還に伴うもののみと致すもので、対前年度比20.5%減の7千757万8千円を予算計上致しております。
  3. 下水道事業特別会計につきましては、対前年度比5.2%減の42億9千935万4千円の予算を計上致しており、前年度に引き続き、それぞれの幹線整備並びに面整備を実施し、普及促進を図ってまいります。
    また、郡山ポンプ場のポンプ施設や電気設備・機械設備の経年劣化に対して、今年度から平成21年度までの7年間で、改築更新をおこなうものでございます。
    この結果、平成15年度末には下水道普及率が平成14年度末予定の79.7%から80.8%になる見込みでございますが、下水道普及率の100%早期達成はもちろんのこと、生活環境の改善や浸水防除のほか、公共用水域の水質保全にも力を注ぎ、良好な水環境・水循環への貢献に努めてまいりますとともに、今後建設から維持管理業務へ移行していかなければならないと、考えているところでございます。
  4. 公園墓地事業特別会計につきましては、664万9千円の予算を計上致しております。
  5. 老人保健医療事業特別会計につきましては、前年の医療費実績等を勘案致し、対前年度比0.8%増の72億408万5千円の予算を計上致しております。
  6. 土地区画整理事業特別会計につきましては、対前年度比36.1%減の4億384万6千円の予算を計上致しております。本年度は事業の終結に向けて、(仮称)地域住民交流会館の建設とともに、清算金の交付と徴収をおこなうものであります。
  7. 介護保険事業特別会計につきましては、対前年度比2.3%増の、37億3千139万円を予算計上致しております。
    今年度から一定用件を満たす低所得者に対して保険料を軽減する制度を導入致しまして、より円滑な介護保険事業運営に努めてまいる所存でございます。
  8. 通所介護事業特別会計につきましては、本年度は対前年度比3.2%減の3千281万3千円の予算を計上致しております。引き続き公的な立場で良質な介護サービスが提供出来るよう努めてまいります。
  9. 水道事業会計につきましては、厳しさを増す不況の中で、水需要は減少傾向にあり、収益的収入は減少するものと予測し、対前年度比5.1%減の27億3千790万8千円となっております。 これに対し収益的支出は、人件費をはじめとして物件費の削減や企業債利息の減少などにより、対前年度比5.5%減の26億9千81万7千円の予算計上となり、支出に対し収入の超過額は僅かに4千709万1千円となりました。
    一方、資本的収入では、下水道敷設等に係る配水管敷設替工事の減少等により工事分担金等の収入が減少し、対前年度比13.6%減の2億7千918万3千円、資本的支出では、水道事業整備計画の長期的見直し等により25.9%減の7億9千782万6千円となりました。この結果、収入が支出に比べて不足する額は、5億1千864万3千円となり、徹底した企業努力を傾注しつつも、財政状態は依然として厳しい状況に置かれております。
    こうした中で、本年度の主な事業と致しましては、水道事業整備計画に基づく2ヶ年による昭和浄水場高圧受電設備更新事業の竣工・第6次拡張事業による馬司町での幹線管敷設事業などの諸事業を実施し、水道水の安定供給と災害対策に力を注いでまいります。
    また、水質管理の充実として、原子吸光分析装置を導入し、検査スピードと測定精度の向上を図ってまいります。
    以上、本市のライフラインとしての水道は、災害に強く安全でおいしい水を安定供給し、今後共、市民福祉の向上に寄与できるよう全力を尽くしてまいります。

以上が、特別会計及び公営企業会計の概要でございます。


本年度の予算編成は、前年度に引き続き事務事業全般にわたり更なる徹底した見直しを図りましたものの、先に申し述べました諸事情により歳出総額は、11億4千万円増、率にいたしまして4.1%の増となっております。
歳入面におきましては、固定資産税が評価替えにより約3億9千万円の減、都市計画税が約6千万円の減、長引く不況と恒久的な減税の影響で、個人市民税で約1億3千万円の減となり、市税総額では約5億8千万円の減収となっております。恒久的な減税による減収分は、たばこ税の税源移譲、地方特例交付金及び減税補てん債の発行で補てん措置を行いましたが、なお不足する財源につきましては、交付税の不足分に充てる臨時財政対策債の発行と、財政調整基金・減債基金を取り崩すことによって、予算編成を致したところであります。なお、国の税収見込額が大幅に落ち込んでおり、来年度以降につきましても、より厳しい状況であると見込まれるところでございます。

本市を取り巻く財政環境は、従来とは比較にならないほど厳しい状況ではありますが、予算編成にあたりましては、細心の配慮を致した所存でありますので、何卒、議員各位におかれましても特段のご理解とご協力を賜りますようお願い致しまして、私の施政方針とさせていただきます。