木造四天王立像
木造四天王立像(もくぞうしてんのうりゅうぞう)
椎木町の光堂寺に伝えられる像高三尺あまりの四天王像で、現在堂内仏壇上に横一列に安置されています。
四天王とは持国天<じこくてん>、増長天<ぞうちょうてん>、広目天<こうもくてん>、多聞天<たもんてん>をさします。
いずれも表現、構造からみて平安時代、10世紀末から11世紀はじめの製作と推定され、四体一具として安置された可能性もあります。四体ともに両腕部が後補で、本体部も虫食いが進んだところがありますが、主要部は修正したところが少なく、造像当時の優れた彫技が残されています。
県下の四天王像は各時代を通じてその遺品は少なくありませんが、平安時代中期の作例となると法隆寺の講堂、新堂、三経院などの諸天に限られます。その中にあってこの四天王像は奈良盆地中央部に残る平安古像として注目されるものです。
お寺の承諾を得て拝観してください。写真は広目天です。