○大和郡山市自治基本条例

平成23年3月15日

大和郡山市条例第2号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 まちづくりの基本原則(第4条)

第3章 市民(第5条―第7条)

第4章 市議会(第8条・第9条)

第5章 市長等(第10条―第12条)

第6章 市政運営(第13条―第24条)

第7章 市民参画、協働(第25条―第29条)

第8章 連携と協力(第30条)

第9章 条例の位置づけと改正(第31条・第32条)

附則

わたしたちが暮らす大和郡山市は、奈良盆地の北部に位置し、矢田丘陵の山なみ、緑豊かな田園地帯が広がる素晴らしい自然環境のもと、先人が積み重ねてきた伝統と文化の歴史が息づく、‘金魚と城下町’で知られる、人と人とのふれあい、思いやりを大切にするまちです。

わたしたちは、このまちに集い、生まれ育ち、また、共に学び働き、暮らしながら「大和郡山らしさ」を基調にした魅力のあるまちづくりに取り組んできました。

これからも、地域の歴史、文化、自然、環境との調和をより一層図るとともに、市民、事業者、市議会、行政等さまざまな人々がパートナーシップをはぐくみながら、平和で夢と希望に満ちたまちづくりを進めていきます。

そのためにも、わたしたちは、それぞれの権利と役割、責務を認識したうえで、自分たちのまちは自分たちの手で築きあげていこうという強い意志のもと、市民参加、参画、協働のまちづくりのしくみを構築していかなければなりません。

よって、自治の主体である市民が自らの責任に基づき決定し、自ら行動することにより更なる住民自治の進展と日々の暮らしのなかで共に生きるよろこびが実感できる地域社会の実現を目指し、ここに大和郡山市自治基本条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、大和郡山市における自治の基本理念とまちづくりの基本原則を明らかにし、市民及び市のそれぞれの権利や役割・責務、まちづくりに関する基本的な事項を定めることにより、自治の確立とこころ豊かに暮らせる地域社会の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ各号に定めるところによる。

(1) 市民 市内に居住する者、市内で働く者、学ぶ者及び市内で事業を営むものをいう。

(2) 市 市議会、市長その他の執行機関を含めた地方公共団体をいう。

(3) 執行機関 市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。

(4) 参画 政策の立案、実施、評価等の各段階に市民が主体的に参加し、市の意思決定にかかわることをいう。

(5) 協働 市民、市議会及び執行機関が、お互いの役割と責任の自覚のもと、それぞれの自主性を尊重し、対等な立場で連携、協力し合いながらまちづくりに取り組むことをいう。

(基本理念)

第3条 市民及び市は、次の各号に掲げる基本理念を共有し、まちづくりを進めるものとする。

(1) 地方自治の本旨に基づき、それぞれの果たすべき役割や責務を分担し、相互に補完協働し合いながら、自主性及び自立性を確保した個性豊かなまちづくりを進めるものとする。

(2) 一人ひとりの人権を尊重し、すべての市民が健やかに、安全で安心して暮らせるまちづくりを進めるものとする。

(3) 多彩な産業、自然環境及び歴史文化との共生を図りながら、持続可能な循環型のまちづくりを進めるものとする。

(4) 人と人、人と地域とのつながりを深め、活力に満ちたまちづくりを進めるものとする。

第2章 まちづくりの基本原則

(まちづくりの基本原則)

第4条 市民及び市は、次の各号に掲げる事項を基本原則としてまちづくりを行い、自治を推進する。

(1) 情報共有の原則 まちづくりは、市民及び市それぞれが保有するまちづくりにかかわる情報を相互に共有し、進めるものとする。

(2) 市民参加、参画及び協働の原則 まちづくりは、市民の自主的な市政への参加、参画が保障され、市民及び市が、それぞれの責務に基づき協働し、進めるものとする。

(3) 行財政運営の原則 まちづくりは、公正性、公平性及び透明性を確保し、健全で、自立した行財政運営のもと行うものとする。

(4) 人権尊重の原則 性別、年齢、心身の状態、国籍、民族等にかかわらず、市民一人ひとりの人権が尊重され、それぞれの個性や能力を最大限に発揮できるまちづくりに努めるものとする。

(5) 自律共助の原則 市民は、自治の主体として、市民一人ひとりが自己の意思のもと、市民相互及び市と助け合うとともに、自主的な市民公益活動により、まちづくりを進めるものとする。

(6) 環境保全の原則 まちづくりは、自然や歴史との調和を図り、次世代に継承できるよう環境保全に努めるものとする。

(7) 対等及び協力の原則 まちづくりは、市が、自らの判断と責任において、国、県と対等の立場で、連携、協力し合いながら進めるものとする。

第3章 市民

(市民の権利)

第5条 市民は、まちづくりの主体として、市政に関する情報を知る権利及び市政に参加、参画する権利を有する。

2 市民は、個人として尊重され、公正な行政サービスのもと安全で安心な生活を営む権利を有する。

3 前2項に規定する市民の権利は、公共の福祉に反しない限り最大限に尊重され、その権利の行使に際しては不当に差別的な扱いを受けない。

(市民の責務)

第6条 市民は、持続可能なまちづくりのため、一人ひとりがまちづくりの主体であることを認識し、自らの行動と発言に責任を持ち、積極的にまちづくりに参加、参画するように努めなければならない。

2 市民は、市と協働し、連携し合いながら、安全、安心に暮らせる地域づくりに取り組まなければならない。

3 市民は、行政サービスに伴う必要な負担をするものとする。

(青少年及び子どもの権利)

第7条 青少年及び子ども(未成年の市民をいう。以下同じ。)は、地域社会の一員として尊重され、健やかに育つ権利を有し、まちづくりに参加、参画することができる。

2 市民及び市は、青少年及び子どもがまちづくりに参加、参画するための環境づくりに努めなければならない。

3 市民及び市は、青少年及び子どもが健やかに育つ環境づくりに努めなければならない。

第4章 市議会

(市議会の役割及び責務)

第8条 市議会は、直接選挙により信託を受けた議員により構成され、条例の制定及び改廃、予算の議決、決算の認定等の市政の重要事項についての市の意思決定機関である。

2 市議会は、市民の意思が市政運営に適切に反映され、市政が適正かつ効率的に執行されているか監視し、けん制に努めなければならない。

3 市議会は、議会活動に関する情報の提供を図り、市民に分かりやすく、開かれた議会運営を行うよう努めなければならない。

4 市議会は、その役割及び責務を遂行するにあたっては、市政調査、議案提出等の立法機能の強化を図るとともに政策立案機能を高めるよう努めなければならない。

(市議会議員の責務)

第9条 市議会議員は、市議会が市民の信託に基づくものであるということを深く認識し、常に市政の発展、安全、環境、市民全体の福祉の向上を念頭において公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。

2 市議会議員は、市議会の役割及び責務を遂行するため、自己の研さんに励むとともに、審議機能及び政策立案能力の向上や時代の変化への対応等に努めなければならない。

3 市議会議員は、会議において議題に対して真摯に対応し、充分な議論を尽くすように努めなければならない。

第5章 市長等

(市長の役割及び責務)

第10条 市長は、市政の代表者として市を統括し、市民のために公正かつ誠実に市政の執行に努めなければならない。

2 市長は、市民の信託のもと、市政運営を通じて、第3条で定めた基本理念を実現し、自治の推進に努めなければならない。

3 市長は、前2項に規定する責務を遂行するにあたり、市職員を適切に指揮監督し、人材育成を図るとともに、多様化する行政課題に的確に対応し、効率的かつ効果的な組織運営に努めなければならない。

(執行機関の役割及び責務)

第11条 執行機関は、その権限と責任において、公正かつ誠実に職務の執行にあたらなければならない。

2 執行機関は、執行機関相互に協力連携しながら、最小の経費で最大の効果をあげるように努めなければならない。

3 執行機関は、職務の遂行にあたり、多様な方法により積極的に市民の参加、参画を促さなければならない。

4 執行機関の組織は、市民に分かりやすく、簡素で効率的なものでなければならない。

(市職員の責務)

第12条 市職員は、全体の奉仕者として、公正かつ誠実に職務を遂行し、市民との信頼関係の構築に努めなければならない。

2 市職員は、市政運営を支える役割があることを深く認識し、地域社会の一員であることを自覚したうえで、積極的にまちづくりの推進に努めなければならない。

3 市職員は、職務を遂行するにあたり、法令等を遵守し、必要な知識、技能等の向上に努めなければならない。

第6章 市政運営

(総合計画)

第13条 市長は、この条例で定めた基本理念及びまちづくりの基本原則に基づき、市政運営の指針として基本構想及びこれを具体化するための計画(以下「総合計画」という。)を策定しなければならない。

2 市長は、総合計画と特定分野ごとの計画の整合を図るものとする。

3 市長は、総合計画の内容を実現するため、実施する政策等の目標を可能な限り数値化し、適切な進行管理を行うものとする。

4 市長は、総合計画について、社会の変化に対応できるよう常に検討を加え、必要に応じて見直しを図るものとする。

(財政運営)

第14条 市長は、総合計画及び次条で定める行政評価の結果を踏まえ、健全な財政運営を行い、予算、決算その他の財政に関する事項を市民に公表しなければならない。

2 執行機関は、市が保有する財産を明確にし、適正な管理に努め、効果的に活用しなければならない。

(行政評価)

第15条 執行機関は、市政運営を行うにあたり、行政評価を実施し、その内容及び結果を公表しなければならない。

2 執行機関は、行政評価の結果に基づき、総合計画の進行管理及び予算の編成、組織の改善等に反映させなければならない。

3 執行機関は、必要に応じて市民、専門家等の意見を聴く機会を設けることができる。

(外部監査)

第16条 市は、公平、公正で、効率的かつ効果的な市政運営を確保するため、必要に応じて専門性及び独立性を有する外部機関による監査を実施することができる。

2 前項の監査は、その結果を公表するものとする。

3 前2項に関することは、別に定める。

(出資法人等に対する指導)

第17条 執行機関は、市が出資し、若しくはその運営のため補助をし、又は職員を派遣している法人その他の団体(以下「出資法人等」とする。)に関して、当該団体の業務及び財政状況等を公表し、その運営が適正かつ効率的に行われるよう指導及び助言しなければならない。

2 執行機関は、出資法人等に対して、常にその目的、効果及び必要性を精査し、適切な措置を講じなければならない。

(説明責任及び応答責任)

第18条 市長は、市政運営を進めるため、市民に対して市政に関する情報を積極的に提供し、市政に対する理解と信頼を得られるよう説明しなければならない。

2 市は、市民の市政に関する意見、要望、提案等に対して、迅速かつ誠実に応答するよう努めなければならない。

(情報公開)

第19条 市は、市民の知る権利を保障するとともに、市民に対して説明する責務を果たすため、保有する市政に関する情報を原則として公開しなければならない。

2 前項に関することは、別に定める。

(個人情報の保護)

第20条 市は、市民の人権を守るため、保有する個人情報を保護しなければならない。

2 前項に関することは、別に定める。

(法務政策)

第21条 市は、市民のニーズや行政課題に沿った主体的なまちづくりを推進するため、自治立法権、法令の自主解釈権の適正かつ効果的な活用に努めなければならない。

(行政手続)

第22条 執行機関は、市民の権利利益を保護するため、処分、行政指導、法令に基づく届出に関する手続について、透明性の向上を図り、公正かつ迅速に行わなければならない。

2 前項に関することは、別に定める。

(公益通報)

第23条 執行機関は、市政運営の適正化を図り、その運営に関する違法な行為について、市職員等からの通報が行われる体制を確立しなければならない。

2 執行機関は、前項の通報を行った市職員等に対し、通報によって不利益を受けることがないよう、身分を保障する等の適切な措置を講じなければならない。

3 前2項に関することは、別に定める。

(危機管理)

第24条 市は、災害発生等の不測の事態に備え、市民の生命、身体及び財産を保護するため、総合的かつ機動的な危機管理体制を整備しなければならない。

2 市は、前項の危機管理体制を強化するため、市民、関係機関及び他の地方自治体との連携、協力を図らなければならない。

第7章 市民参画、協働

(市民公益活動の推進)

第25条 市民は、自治会等の地域活動団体及びボランティア、NPO等の目的別非営利活動団体の行う市民公益活動に関心を持ち、積極的な参画を通じ、地域の課題を共有し、解決に向け行動するよう努めるものとする。

2 市は、自発的かつ自主的に行われる市民公益活動を尊重するとともに、人材育成、物資、情報の提供等その活動を推進するための適切な支援を講じなければならない。

3 市民は、一定のまとまりのある地域内において、地域活動団体を中心とする多様な主体により構成される市民公益活動を行う組織を結成することができる。

(協働及び参画の推進)

第26条 市民及び市は、それぞれお互いに協働しようとするときは、相互の役割分担を明らかにしたうえで、相互理解及び信頼関係の構築に努めなければならない。

2 執行機関は、政策立案、計画策定、実施、評価等の各段階において市民が参画できるようその機会の拡充に努めなければならない。

(意見聴取制度)

第27条 執行機関は、市民生活において重要な政策及び計画の策定並びに条例の制定にあたり、市民が意見を述べることができる機会を保障しなければならない。

2 執行機関は、市民から提出された意見を考慮し、意見についての考え方を公表しなければならない。

3 意見聴取制度の対象となるものについては、別に定める。

(審議会等の委員)

第28条 執行機関は、市が設置する審議会等の委員を選任する場合は、公募の委員を加えるよう努めなければならない。

2 審議会等の会議及び会議録は、公開を原則とする。

(住民投票制度)

第29条 市長は、市政にかかわる重要事項について、直接市民の意思を確認するため、住民投票の制度を設けることができる。

2 市民は、市長に対して住民投票を請求することができる。

3 市議会及び市長は、住民投票を発議することができる。

4 住民投票の請求、発議、投票資格その他住民投票の実施に関し必要な事項は、別に定めるものとする。

5 市民、市議会及び市長は、住民投票の結果を尊重しなければならない。

第8章 連携と協力

(他の自治体等との連携)

第30条 市は、他の地方自治体、大学、NPO、専門機関等と共通する地域課題等の解決を図るため、相互に協力し、課題を解決するよう努めなければならない。

2 市民は、他の地方自治体の住民と連携を図り、様々な意見を取り入れ、まちづくりに活用する。

第9章 条例の位置づけと改正

(最高規範性)

第31条 この条例は、住民自治及び市政に関する最高規範であり、市民及び市は、この条例を遵守しなければならない。

2 市は、他の条例、規則等の制定及び改廃並びに法令等の運用にあたっては、この条例の趣旨を尊重し、この条例との整合を図らなければならない。

(条例の検討及び見直し)

第32条 市長は、この条例の施行後5年を超えない期間ごとに、社会情勢等に適合するよう定期的に検討し、必要に応じて見直しをしなければならない。

2 市長は、前項の検討及び見直しを行うにあたり、委員会を設置する。

3 前項に規定するもののほか、委員会の組織及び運営に関し、必要な事項は、別に定める。

附 則

この条例は、平成24年4月1日から施行する。

大和郡山市自治基本条例

平成23年3月15日 条例第2号

(平成24年4月1日施行)

体系情報
第1編 規/第2章
沿革情報
平成23年3月15日 条例第2号